
名古屋市では1980〜2000年代に施工されたタイル張り建物が多く、経年劣化による「タイルの浮き」や「ひび割れ」が増えています。特に、昼夜の温度差が大きく乾湿の変化も激しい地域特性のため、外壁タイルの剥落事故を未然に防ぐための定期調査と補修が欠かせません。
今回は名古屋市で行われているタイル浮き調査・補修工法の種類と、実務的な選定フローをわかりやすく解説します。
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外壁劣化の早期発見に向けたチェックポイントと管理体制の構築

名古屋市の平均気温は年間約16℃。夏は35℃を超え、冬は0℃近くまで下がるため、コンクリートとタイルの膨張収縮差によって接着モルタルに剥離が起きやすいのが特徴です。とくに南面・西面の高層外壁では熱膨張の影響が顕著で、放置すると剥落事故に発展します。
| 調査区分 | 方法 | 特徴 | 適用規模 | 
| 打診調査 | 打診棒で音の違いを確認 | 精度が高いが高所作業が必要 | 小〜中規模 | 
| 赤外線調査 | 温度差で浮きを検知 | 広範囲を短時間で調査可能 | 中〜大規模 | 
| 近接目視調査 | ひび割れ・欠損を確認 | 足場設置時に実施 | 併用で精度向上 | 
打診調査はタイル表面を打診棒で軽く叩き、「コツコツ音」と「ポコポコ音」の違いで浮きを判断する手法です。目視確認を併用することで局所的な異常を発見しやすい一方、調査員の経験に依存するため、データとして残りにくい課題もあります。特に名古屋市のような高層ビルが多いエリアでは、ブランコ作業やゴンドラ調査が必要になり、足場コストがかかる場合もあります。
赤外線サーモグラフィ調査は、昼夜の温度差を利用して浮き箇所を温度分布として可視化します。タイルの浮き部分は内部に空気層があるため、温度変化が遅れることを利用する仕組みです。名古屋市では春・秋の快晴日に実施するのが最適で、撮影時間帯は午前9時〜11時が推奨。外壁全体を一度に診断でき、報告書化もしやすいため、大規模修繕前の一次調査に適しています。
タイル浮きの補修方法は、損傷範囲や下地の状態によって異なります。名古屋市のように築20年以上の建物が多い地域では、「部分補修」と「全面改修」を明確に分けた判断が必要です。
| 症状 | 補修工法 | 特徴 | 耐用年数目安 | 
| 浮き(軽度) | エポキシ樹脂注入 | 浮きを充填し接着回復 | 約10年 | 
| 浮き(重度) | ピンニング工法 | ステンレスピンで固定 | 約15年 | 
| ひび割れ・欠損 | 張替え | 劣化タイルを撤去交換 | 約20年 | 
軽度の浮きに対しては「樹脂注入工法」が最も一般的です。浮き部分に微細な穴を開け、低粘度エポキシ樹脂を注入して接着力を回復させる方法です。コストは1箇所あたり1,000〜2,000円程度と比較的安価で、施工時間も短いため、管理組合での予防保全に適しています。ただし、下地モルタルの劣化が進行している場合は再浮きのリスクがあるため、定期点検が前提となります。
重度の浮きには「ピンニング工法」が有効です。タイル中央部に穴を開け、ステンレスピンを挿入して機械的に固定する方法で、浮き面積が大きい場合に使用されます。名古屋市の実績では、1㎡あたり約1〜1.5万円が目安。樹脂注入との併用により、美観を保ちながら構造安全性を確保できます。ピン位置はモルタル下地の厚さを考慮して選定する必要があり、経験豊富な技術者による設計が求められます。
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建物劣化サインから読み解く大規模修繕の実施適期と判断基準

名古屋市の法人建物では、外壁タイル改修の実施時期や施工範囲の判断を誤ると、費用が倍増するケースがあります。ここでは現場で重視すべき3つの実務ポイントを紹介します。
外壁タイルの劣化は、肉眼ではわからない初期浮きから進行します。そのため3年ごとの定期調査をルール化するのが理想です。
特に名古屋市では、寒暖差が大きく季節によって浮きの進行スピードが異なるため、「同一条件・同一時期」で調査を繰り返すことが重要です。
修繕ひらまつでは、打診調査と赤外線サーモグラフィ調査を併用することで、データの裏づけを強化。音響と温度分布の両面から判断することで、誤診リスクを最小化します。
また、赤外線調査で得られた浮き箇所をCAD上で可視化し、劣化傾向を数値化。再調査時の比較資料として「資産管理型の外壁台帳」に反映しています。これにより、突発的な修繕ではなく、中期修繕計画に基づく予防保全型メンテナンスが実現できます。
タイル補修では、見た目よりも構造的リスクの高い部位を優先的に修繕することが原則です。名古屋市では、日射量の多い南面・西面を中心に「浮き」の発生率が高く、内部空洞が拡大するとタイル剥落事故につながる恐れがあります。
一方で、ひび割れや欠損は美観劣化が主ですが、水の侵入経路になるため放置は禁物です。エフロレッセンス(白華)は表面現象であり、構造的な問題ではないため後回しでも構いません。
修繕ひらまつでは、調査段階でタイル1枚ごとに「危険度スコア」を付与し、即時対応・計画補修・経過観察の3段階に分類。これにより、予算を効率的に配分しながら最も効果的な修繕順序を設計しています。
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大規模修繕の緊急度判定基準|劣化症状別に見る優先度と放置リスク
外壁タイルの補修は気温と湿度の影響を大きく受けます。特に名古屋市では夏季の直射日光と冬季の低温乾燥によって接着不良や樹脂硬化不良が起きやすいため、春(3〜5月)と秋(9〜11月)の施工が最も安定します。
樹脂注入やシーリング打ち替えなどの工程は、外気温15〜25℃、湿度60%前後が理想条件です。加えて、朝夕の気温差が大きい時期は、作業時間を午前9時〜午後3時に限定し、乾燥時間を十分に確保します。
修繕ひらまつでは、季節別の「施工環境チェックシート」を用い、施工可否を日ごとに判定。高湿度日や降雨予報時には無理に進めず、品質優先のスケジュール管理を徹底しています。
外壁タイル調査・補修の品質は「実施」だけでなく「記録」で差がつきます。
修繕ひらまつでは、打診・赤外線調査の結果をもとに外壁全体の浮きマップと劣化分布表を作成。撮影データを経年比較できるようにアーカイブ化し、管理会社やオーナーがいつでも確認できる形で納品しています。
この記録は、次回修繕計画時に「どこを・いつ・どの方法で」補修したかを判断する貴重な資料となります。結果として、建物のメンテナンス履歴が“資産”として評価されるのです。
外壁補修は高所での作業が多く、第三者災害防止のための安全計画が欠かせません。名古屋市中心部のように人通りが多い地域では、歩行者動線と仮設計画を一体で設計する必要があります。
修繕ひらまつでは、足場設置時に防音・防塵ネット・メッシュシートを標準装備し、作業時間を「9:00〜17:00」に限定するといった対応が可能です。商業施設やマンションなどでは、夜間・休日工事の併用で入居者やテナントの営業に支障が出ないよう配慮します。
さらに、目地シーリングや外壁塗装点検を同時実施する“ワンセット改修”を採用することで、工期短縮と足場費用の節約を両立しています。

外壁タイル調査・補修を検討する管理会社様・オーナー様から寄せられる質問を、現場経験をもとにまとめました。
A.浮きを放置すると、内部に水が入り込みモルタルが凍結膨張を起こします。最終的には剥落につながるため、早期調査が必要です。特に名古屋市では寒暖差による収縮膨張が激しく、放置期間が長いほど被害範囲が拡大します。初期段階での点検・補修が、工事費を最小限に抑える最も確実な方法です。
A.はい、可能です。修繕ひらまつでは赤外線・打診のセット調査を1棟単位で承っています。報告書のみの発行も対応しています。ご希望に応じて、図面上に劣化分布を可視化した「浮きマップ」も作成可能で、次回以降の修繕計画や見積比較に役立ちます。調査だけでも資産管理の第一歩となります。
A.近隣・居住者への掲示と音出し工程の案内が必要です。弊社ではテンプレート文書を提供しています。特に名古屋市中心部のマンションでは、平日昼間の作業音や粉塵対策への配慮が重要です。修繕ひらまつでは、掲示物のほか各戸配布文書や工期表もセットで準備し、現場トラブルを未然に防ぎます。
A.樹脂注入はほぼ原状維持、ピンニングはタイル中央に微細な跡が残る程度です。美観を重視する場合は張替えを推奨します。また、補修跡が気になる場合は既存タイルのロット確認と近似色再現を行うことも可能です。修繕ひらまつでは施工後の色合わせと清掃仕上げまで一貫対応し、自然な仕上がりを実現します。
A.打診+赤外線の併用で1㎡あたり約300〜500円、1000㎡クラスの建物で30〜50万円が目安です。規模や立地、足場の有無によって変動しますが、外壁改修の前段階としては非常にコストパフォーマンスの高い調査です。修繕ひらまつでは建物規模別の料金表を明示し、予算計画を立てやすい形でご案内しています。

外壁タイルの浮きやひび割れは、放置すれば資産価値の低下だけでなく、落下事故という重大リスクにつながります。名古屋市では気温差が大きく、経年劣化が進みやすい環境のため、定期調査と早期補修が不可欠です。
修繕ひらまつでは、赤外線カメラと熟練技術者による打診を組み合わせ、調査から設計・施工まで一貫対応。ピンニング・樹脂注入・張替えの最適工法を現場ごとに提案します。
お問い合わせはフォーム・メール・電話で受付中。ショールームでは実際の補修サンプルをご覧いただけます。
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